午後4時。朝のうちに始めるつもりだったことが、まだ手つかずのまま待っています。メッセージを2回チェックして、引き出しをひとつ片づけて、生産性についての記事を半分読みました。それなのに、その作業に目を向けるたび、心のどこかが後ずさりします。
先延ばしをやめる方法を探しているなら、よくあるアドバイスはもう試したはずです。スケジュールを立てる、もっと自分を律する、とにかく始める。1日か2日はうまくいきます。でも、やがていつものパターンが戻ってきます。そうしたアドバイスは先延ばしを計画の問題として扱っていますが、実際にそうであることは、めったにないからです。
結論から言うと
先延ばしをやめるには、自分をもっと強く押すより、始めることを楽にするほうが効きます。何を避けているのかに名前をつけ、次の一歩を「わざわざやるまでもない」と思えるほど小さくし、その一歩とのあいだにあるじゃまを取り除いて、2分だけ取り組む。一度始めてしまえば、続けるのは始めるよりずっと簡単です。
このガイドでは、それぞれのやり方と、うまくいかない日にどうすればいいかを紹介します。
「とにかく始める」がうまくいかない理由
先延ばしは、とてもよくあることです。心理学者の Piers Steel は2007年に数十年分の研究を見直し、大学生の80〜95%が先延ばしをしていると推定しました。先延ばしをしてしまうとしても、ごく普通の、とても大勢の人たちと同じだということです。
先延ばしがしつこいのは、それが効くからです。ほんの数分のあいだだけですが。研究者の Fuschia Sirois と Timothy Pychyl は、先延ばしを「短期的に気分を立て直す方法」だと説明しています。作業が退屈や自信のなさ、うまくできないことへの恐れといった不快な気持ちを呼び起こし、後回しにするとその気持ちが消える。ほっとするのはすぐです。代償はあとからやってきます。たいていは、利息つきで。
だから、意志の力だけでは何度やってもうまくいかないのです。戦っている相手は怠け心ではありません。今この瞬間の気分を確実に楽にしてくれる、反射のようなものです。抜け道は、避けるより始めるほうが少しでも楽だと感じられるようにすることです。
スモールステップ法
1. 何を避けているのかに名前をつける
何よりも先に、この文を完成させてください。「始めたくないのは、〜だから」。できるだけ具体的に。「最初の段落に何を書けばいいかわからないから」「受信箱が面倒ごとだらけに決まっているから」「疲れていて、すごく大きなことに思えるから」。
10秒で終わりますが、これで問題そのものが変わります。「先延ばししている」はあいまいで、少し後ろめたい言葉です。「最初の段落の書き出しがわからない」は、実際に解決できる問題です。
2. 次の一歩を、ばかばかしいほど小さくする
避けている作業のほとんどは、ひとつのことではありません。「確定申告をする」は20個の小さな作業の集まりで、脳はその20個を一度に見てしまいます。だから、すぐ次にやる具体的な動作をひとつだけ選び、「まあ、それならできる」と素直に思えるくらい小さくしましょう。
| 避けていること | 止まってしまう一歩 | 動き出せる一歩 |
|---|---|---|
| レポートを書く | 序論を書く | ファイルを開いて、見出しを3つ書き出す |
| 確定申告をする | 申告書を最後まで書く | 去年の控えを探して、机の上に出しておく |
| ジム通いを再開する | 1回分のトレーニングをきっちりこなす | ジムバッグを準備して、玄関に置いておく |
| 気の重いメールに返信する | きちんと返信する | 最初の一文だけ書く。それ以上は書かない |
| 試験勉強をする | 第4章を復習する | その章のまとめのページを読む |
それでもまだ避けたい気持ちが残るなら、その一歩はまだ大きすぎます。もう一度切り分けましょう。
3. じゃまを取り除く
小さな障害は、見た目以上に効いてきます。始めるのに何回もクリックが必要だったり、目当てのファイルを探さなければならなかったり、手の届くところにスマホがあったりすると、楽なほうが勝ってしまいます。
- 最初に必要なものを目の前に置く。開いた文書、机の上の本、玄関の靴。
- これからの15分は、スマホを手の届かないところへ。できれば別の部屋へ。
- 始める前に、この一歩の「完了の目安」を決めておく。途中で迷って、行ったり来たりしないように。
行動科学者の Katherine Milkman は、これを楽しく応用した方法を見つけています。彼女の研究では、夢中になれるオーディオブックをジムにいるあいだだけ聴けるようにした人たちは、ジムに通う回数が増えました。避けている作業を、楽しめることとセットにする。それはずるではなく、れっきとした方法です。
4. 2分だけ始める
その一歩を2分だけやって、そのあとはやめていい、と自分に言い聞かせます。タイマーをセットしてもいいでしょう。たいていは、そのまま続けられます。いちばん難しいのは、「やっていない」から「やっている」へ切り替わる瞬間だからです。
2分でやめたとしても、それはちゃんと勝ちです。避ける流れを断ち切れたのですから。次にその作業に向かうときは、少し軽く感じられるはずです。
5. やめる前に、次の始め方を決めておく
その日の作業を終えるときは、戻ってきやすい入り口を残しておきましょう。すぐ次の一歩(「2つ目の見出しの下書きを書く」)を書き、できれば、いつやるかも書きます。「朝のコーヒーを飲んだら、2つ目の見出しの下書きを書く」。
こうした「もし〜したら、〜する」という計画は、よく研究されています。Peter Gollwitzer と Paschal Sheeran が94件の研究をまとめたレビューでは、いつ、どこで行動するかを前もって決めた人は、はっきりと高い割合で実行に移せていました。使い方は、ずっと後回しにしている目標を始める方法のガイドで紹介しています。
いま、まさに先延ばししているなら
やるべきことの代わりにこの記事を読んでいるなら、10分でできる応急処置があります。
- 一文だけ書く。「___を避けている。理由は___」。
- それを前に進める、いちばん小さな次の一歩を書く。
- じゃまをひとつ取り除く。タブを閉じる、スマホをしまう、ファイルを開く。
- タイマーを2分にセットして、始める。
- タイマーが鳴ったら、正直に決める。続けるか、やめて次の一歩を書いておくか。
それだけです。一週間をまるごと立て直す必要はありません。必要なのは、一回の「始める」だけです。
よくある失敗
- 準備ができたと感じるまで待つ。 やる気は、たいてい始める前ではなく、始めたあとにやってきます。疲れているなら、やる気が出ない日にできることのガイドで、さらに小さな一歩で続ける方法を紹介しています。
- 始める代わりに計画を立てる。 きれいな計画も、避けるための行動のひとつになりえます。計画に10分以上かかっているなら、最初の一歩を始めて、計画はあとで整えましょう。
- 何もできなかった日のあとで、自分を罰する。 責任感のある態度に思えますが、逆効果です。Michael Wohl、Timothy Pychyl、Shannon Bennett の研究では、ある試験で先延ばしをした自分を許した学生は、次の試験では先延ばしが少なくなりました。
- 一度に全部を直そうとする。 リスト全体が無理に思えるなら、ひとつだけ選びましょう。やることが多すぎて何から始めるかわからないときのガイドでは、15分で整理する手順を紹介しています。
よくある質問
先延ばしをするのは、怠け者だからですか?
たいていは違います。怠けるというのは、何もしたくないことです。先延ばしは、何かをしたいのに、それでも避けてしまうこと。多くの場合、その作業が不快な気持ちを呼び起こすからです。よくある理由は、なぜ先延ばしにしてしまうのかのガイドで紹介しています。
先延ばしをやめるには、どのくらいかかりますか?
先延ばしを永遠にオフにするスイッチはありませんし、たいていの人は今でもときどき先延ばしをします。変わるのは、それに気づいて、もう一度始めるまでの速さです。小さく始める練習を毎日続けると、1週間ほどで違いを感じる人も多くいます。
先延ばしにアプリは役立ちますか?
自分の先延ばしのタイプに合ったアプリなら、役立ちます。スマホが問題なら、ブロックするアプリが助けになります。次に何をすればいいかわからないなら、プランナーが助けになります。主なタイプは先延ばし防止アプリのおすすめで比べています。
ほとんど何でも、いつも先延ばしにしてしまう場合は?
先延ばしが生活のあらゆる面に影響している、何年も続いている、あるいは気分の落ち込みや集中しづらさがずっと続いているなら、医師やカウンセラーに相談してみる価値があります。その奥に、テクニックではなく、きちんとした支えが必要な何かがあることもあります。
次の一歩を小さくするのは、Aimoraにまかせる
一歩ずつ自分で小さくするのは大変だと感じるなら、そのためにあるのがAimoraです。先延ばしにしている目標を伝えると、毎日、その日に使える時間とエネルギーに合わせて、「完了の目安」がはっきりした具体的な一歩をひとつ届けます。それでも多すぎる?「重い? もっと軽くする」をタップして、何が引っかかったかを伝えると、今日の一歩が軽くなります。抜けた日がたまっていくことはないので、取り戻すものは何もありません。
目標はひとつ、1日に小さな一歩をひとつ。それがこの方法のすべてで、Aimoraが代わりにやってくれます。
